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【魔改造】第2話どうしてもロードバイクのワイヤー類を内装したくなった。閲覧注意!ブレーキワイヤー内装編

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横浜ワールドポーターズ店】奥平 総帆 21年10月08日

DSC_0015乗るより自転車いじりが大好きな店長の奥平です。
最初にお断りしておきますが、ここに書かれている内容はメーカー保証が一切受けられない「魔改造」の記事です。
自分自身の修理作業のスキルアップや、考察力強化、そして私個人の自己満足、自己責任において作業しております。
作業を推奨するものではありませんので、記事を参考にして作業はなさらないでください。またこの記事に関するお問い合わせにお答えすることも致しかねます。
特にブレーキに関わる部分や強度に関わる部分は安全に直結いたしますのでご注意ください。

とは言いましたが互換性の範囲でできる部品交換でしたら作業可能ですので、お気軽にご相談くださいませ。

 

前回の内容

前回の記事ではシフトを電動化して、その電線をヘッドパーツ加工することで内装する作業を実施しました

 

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↑ハンドル周りには4本のワイヤー類

Before

After

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↑シフトワイヤーがなくなりスッキリしました!

 

ブレーキワイヤーも内蔵したい!

電線を内蔵できたのですが、前回記事の最後にお伝えしたように、DEDAから新型ステムのSUPER BOXステムが発売されることとなり、一体型ハンドルを使用せずともより手軽に内装ができそうな予感が高まりました。

がしかし、私のバイクは内装には対応していなばかりか、ブレーキ系統のワイヤーを内装するために必要な条件の「ブレーキアウターが通る隙間」が設定されているコルナゴ、リドレーが採用するD型フォークコラムや、ほとんどの内装系バイクが採用している大口径ベアリングの1 1/2″インチヘッドパーツを使用している車体ではありません。

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↑リドレーのワイヤー内装用のD型フォークコラム(画像はワイズロード 船橋店より)

必然的にワイヤーが通らないということなので通常の残された道は「フレームを改造して大口径ベアリングを入れる」か、「フォークコラムに穴をあけてホースが通るようにする」という禁断のフレーム改造ということになってしまいます。
私の考える「魔改造」とは、「フレームに大きな改修をせずにやる」ということをポリシーにしているので、上記2つのやり方はNGとなります。
そこで、またまたフレームをながめること1ヶ月。「電線が通った穴を活用できないか?」というところに行き着きました。

 

 

ヘッドパーツのさらなる改造

前回電動ワイヤーを通すために改造したコンプレッションリングですが、ここの隙間は3.2mmほどしかありません。通常のアウターケーブルの太さは6mmほど、外側の樹脂部分を削り取ったとしても中にある金属部分だけでも4.5mmほどもあるのでとても通すことはできません。
いろいろ考えを巡らせてみたのですが、閃きました!『NOKONの1ピースとして考えればライナー管を通すことができるのではないか』という考えに行き着きました。
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私の使用しているブレーキアウターは昔、弊社が10年ほど前に輸入をしていたNOKON社の作っていたワイヤーで、プロの選手が隠れて使用するほどブレーキやシフトフィーリングが改善し、さらに軽量化にも寄与するというカスタムパーツです。(現在は取り扱っておりません。似た製品はJAG製の商品があります)
形状としてはアルミの細かなピースを数珠つなぎでつなぎ合わせているのが特徴です。現在は純正でも高機能なワイヤーが出てきてしまったため日の目を浴びなくなってしまっていました。
思いついたのはこのアルミピースの一つとヘッドパーツのコンプレッションリングを置き換えてしまったらワイヤーだけを通すことができるのではと考えたのです。
思い立ったらすぐ行動。早速穴あけ。
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NOKONのライナー管の太さは2.7mmなのでその大きさにコンプレッションリングに穴を開け、ラーナーを通してみたところ、通りました。
もちろん、ここにはステアリングコラムとベアリングがくるので上下に来るNOKONのピースは薄く削って形を整形。
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ベアリングが来てもライナー管が綺麗に通ってます。
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心配なポイントは薄く削ったのでブレーキのパワーに負けて変形してしまわないか?というところですが、とりあえずこのまま進めます。
トップカバーはそのまま使用できないので、DEDAのSUPER BOXに使用されているものと同じキャップを使用してみました。
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大丈夫そうです。
では早速バイクに取り付けてみましょう!
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流石にワイヤーの取り回しに少し無理があるのでレバーの引きが若干重くなってしまいましたが使用に問題が出るほどではないのでOKでしょう。

ブレーキワイヤーが内蔵できることがわかったのでDEDA SUPER BOXを投入することとしました!
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DEDA SUPRE BOXステムを観察してみた

取り寄せしたDEDA SUPER BOXステムはセミ内装に対応したS-DCRに対応したステムで、ハンドルが内装に対応していないハンドルでもDCR対応のフレームに綺麗にワイヤーを納めるためのカバー(下記写真の04)が付属しています。

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そしてフル内装ハンドルのDEDA ALANERAと同じスペーサー(上記写真の06)とトップカバーを介してフレームへとワイヤーを引き込みます。トップカバー(上記写真の09A)には各メーカーに対応したものが別売されており、まるで純正ハンドルかのように取り付けることができるようになっています。
今回の私のバイクには09Aの部品が寸法的にはフィットしたので付属のものをそのまま使用します。

 

V3 インターフェイスを美しく取り付ける

エアロと見た目を整えるためのクリップ(上記写真の11)が付属して来きます。これを見て、「そういえばこれはSUPER ZEROステムにDi2ジャンクションを取り付けられる部品があったはず!」ということで調べてみました。

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自分のバイクはカンパEPS V3 なのでインターフェイス(シマノで言うところのジャンクションA)が外付けになります。
通常であればゴムバンドでステム下に吊り下げるような形式になるのですが美しくない。前回記事ではマウントを自作してステム下に強力両面テープにて取り付けていました。
今回はこのDi2マウントをEPSの形状に合うように加工します。
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加工前の写真を撮り忘れたので比べにくいのですが、そもそもこの部品、SUPER ZERO専用でSUPER BOXには適合していません。なのでSUPER BOXに合うように形を整え、シマノのジャンクションAの取り付け部分を薄く削って、EPS V3 インターフェイスをタイラップで固定するための穴を開ました。

これでまるで純正部品のようにEPS V3 インターフェイスを取り付けできるようになりました。
固定力がこれだけでは弱いので強力両面テープで保持力を強化することにしました。

 

禁断の加工

ここまででもだいぶメーカーNGなことをやりましたがここからは本当に良い子は絶対真似しちゃダメです。
先ほどのDi2 CLIPを加工したのですが、せっかくワイヤー関連が綺麗に収まるようになったのにこのままだとEPS V3 インターフェイスから左右のエルゴレバーに向けて伸びる電線がハンドル下でむき出しになってしまいます。
これではせっかくここまでやった見た目の内装効果が半減してしまうと言うことで、禁断のステム加工を実施しました。
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ハンドルクランプの下側に直径2mmのEPS線が2本ギリギリ通る溝を掘りました。
強度が確実になくなるため現物を合わせながら少しづつ削っていきます。DSC_0005
そして先ほどのDi2 CLIPにも線が通るように加工を施し、
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合わせてみるとこんな感じに電線の通る道ができました。
本当はこの加工なしに取り付けをしたかったのですが、ここまで来たら引き下がれませんでした。
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ステムの裏側からの写真ですが、EPS V3 インターフェイスが綺麗に取り付けられ、電線はハンドルの中に内装。リアブレーキワイヤーはハンドルから一部顔を出しますがそのままステムの中へ入っていき、ヘッドパーツの下から出て来ます。
 

妄想が現実に、、、完全内装完成へ

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V3インターフェイスはどうしても外に出てしまうので完全内装とは言えないかもしれませんが、自分の持っている機材を大幅に変更することなく、内装することができたので、大変自己満しております。
横から覗かないとこのごちゃっとしたところは見えませんし(笑)

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この位置からだとブレーキキャリパーに伸びる線しか見えません。

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前から見た感じも大変スッキリ。最新のロードの佇まいと同じ雰囲気へと変わりました。

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NOKONの赤アルマイトがワンポイント。

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スパカズのバーテープは逆巻にしてエンドテープが上側に来ないようにし、柄も左右で同じ位置になるように巻いています。

 

 

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と言うことで休日の自転車いじり、これにておしまいでございます。

旧車でも見た目は最新。最高の自己満でした。
お付き合いありがとうございました。

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↑目標としていた22年のCIPOLLINI MCMリムブレーキ版。近づけられました!

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