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【HOW TO DISCブレーキメンテナンス】初心者でも知っておきたい!基本メンテナンス

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川崎店】奥平 総帆 22年07月04日

DISCブレーキの搭載の車体が当たり前になって数年がたちますが、皆様がお使いのDISCブレーキ、ちゃんとメンテナンスできていますか?
自転車の一番大切な部品のひとつであるブレーキの状態を把握しておくことは大変重要です。
ここでは、初心者でも知っておきたいDISCブレーキのメンテナンス系のあれこれを解説したいと思います。

 扉2

 

ブレーキローター(円盤)の消耗具合をチェックする

ローターきれいに削れる

ブレーキってパットだけ減ると思っている方が多いと思いますが、実はローター(円盤)も一緒に削れていきます。目安ですが、パット2回交換でブレーキローターの減り具合を確認した方がいいと思います。
上の写真は使いはじめのローターで、ブレーキのあたり面が均等に削れてきているのがわかると思います。

「ローターの減る場所はパット当たり面の中央」です。

ローター減り2
こちらはパットが完全になくなるまで使用してしまい、ローター表面が片摩耗しています。
表面を見ているだけではわからないので、ローター当たり面の穴をよく確認していただくといいと思います。

ローター穴削れ

ローターは外周部よりもパットの当たる中央部分が一番減っていきますので、赤い矢印で示した部分が摩耗して薄くなっていないか確認する必要があります。
シマノの場合、一番減っている部分が1.5mm以下になる前に交換しましょう。

 ローター減り

直線のものを当てがって、光を透かして見ると、真ん中部分が片摩耗しているのがわかると思います。

 

パットの減り具合を確認する

パットならべ

こちらの写真は左から「ほぼ新品」「残り0.5mm」「限界突破」の状態です。

DSC_0627
先日、ブレーキの調子が悪いからと、点検させていただいたバイクについていたパットです。お客様から許可を頂き、掲載させていただきました。
この「限界突破」してしまったパットは、4年の間、かなりの距離を乗られて1度もパット交換をされていなかったそうです。
パットは完全に消減してしまっており、ベースの金属が半分になるまで削れてしまっています。かなり金属音がしていたはずなのでこのようになる前に交換しましょう。
パットの交換は使用条件や、パットの材質にもよりますが3000kmを超えてきたら減り具合を特に注意するといいでしょう。
特に雨の中を多用する方は減りが早くなります。

 

パットは厚さが残り0.5mm以下になる前に交換しましょう

パット05mm

こちらは「残り0.5mm」まで減ってしまったパットです。
写真を見ていただくとあと少しでベースに届いてしまう状態まで削れています。
ここまで削れてブレーキが効かなくなるる前に、交換できるように点検をしましょう。

パットを点検する

上からのぞく

キャリパー上からのぞく

ブレーキの構造にもよるのですが、上側にスリットが入っている場合は上からのぞくことで、ブレーキの減り具合を確認することができます。ライトなどで照らした方が見やすいです。一部分しか見えないので完ぺきではありませんが、常にチェックする方法としては簡易にできるのでいいでしょう。

 

ホイールを外して下からから見る

ホイール外す

ホイールがついたままだと見づらいので、ホイールを外してから確認しましょう。先ほどの上からのぞくよりも見やすいですが、奥まで完全に見える訳ではないので、ホイールを外すタイミングで常に確認する癖付けするといいと思います。

パットを外してみる

DSC_0626

パットの減り具合、汚れ具合を目視して確認してください。

 

パットの交換方法

ここではシマノのブレーキパットの交換方法をお伝えします。

①新品に交換する場合はピストンをリセットする

リセット

パットが減ると、その分ピストンがせり出てくれるようになっています。
そのため、新品のパットに交換する場合場はピストンを一番奥まで押し戻してリセットする必要があります。もともとのパットをそのまま使用するのであれば、必ずしもリセットを行う必要はありません。
写真のように専用工具であればある程度幅があるのでパットを痛めにくいですが、大きめのマイナスドライバーをしっかりと脱脂して使うのもありです。乱暴にこじって、パットを傷つけないように注意しましょう。
元に戻す際は、パットを入れなおしてローターを入れた状態で数回レバーを握ることで正しい位置に戻すことができます。

②留めピンを抜く

割りピン

シャフトの抜け止め防止のピンを外します。

③シャフトを抜く

ピン抜く

パットをおさえているシャフトを工具で緩めてから抜き取ります。

④パットを外す

パット引き抜き

手でパットを抜き取ります。

⑤元への戻し方

逆の手順で戻します。
せっかくなので、外したついでにクリーニングしましょう。

 

クリーニング

キャリパーキレイ

ブレーキパットやローターが汚れていると音鳴りのや、制動力不足の原因となります。定期的にグリーニングしてあげることでパフォーマンスを維持できます。この写真はきれいな状態です。

ブレーキキャリパー周りをクリーニング

キャリパー汚い

ブレーキ周りはダストで黒い粉がいっぱいついています。まずはこのブレンド周りに飛び散っている汚れをきれいにしましょう。粉状の汚れはウエスを使って乾拭きして、それでも取れない汚れはクリーナーを使いましょう。
この汚れ分だけパットとローターが減っているということです。

 

お勧めのクリーナー

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いろいろブレーキ用クリーナーを使ってみましたが、これは専用品だけあってこれが一番DISCブレーキの汚れを落とすことができます。
 

ローターを洗浄

ロータークリーニングスプレー

ローターは金属なので、先ほどの専用クリーナーと清潔なウエスを使って、で大体の汚れを落とすことができます。当たり面にある穴の中に汚れが残っていることもあるので、そこも含めて、しっかりと洗浄してください。

パットを洗浄

パットクリーニング後

ブレーキパットは表面に無数の穴が開いているため、油を吸ってしまっていると、洗浄だけでは油分や汚れを取り切れない場合があります。その際は思い切って新品に交換するのもありです。その際は上記のローターの洗浄も必ず同時に実施してください。
写真の左が「クリーニング後」右が「クリーニング前」になります。汚れている方が、黒く、濡れているように見えると思います。

①中性洗剤で表面の汚れを落とす

パット中性洗剤 

中性の台所洗剤をパット表面につけ、両方のパットをこすり合わせてクリーニングします。音鳴りの原因になる油分を大まかに洗浄できます。

②水で汚れと洗剤を洗い流す。

洗剤が残らないようにしっかりと水道水で洗い流してください。

③乾燥させる 

自然乾燥だと時間がかかるので、ドライヤーなどで温めて乾燥させてもOKです。

④専用クリーナーで汚れを浮かせる

パットスプレー 

先ほどの専用クリーナーをパットの表面に吹き付け、数分放置します。放置することでパットの奥の方に浸透してしまった汚れが分解されやすくなります。
時間が経ったら、清潔なウエスでしっかりとふき取って汚れが出てこなくなるまで2、3回繰り返します。

⑤汚れをふき取り乾燥させる

 パットふき取り

これで変な音鳴りが出なければ完成です。

 

音鳴りが消えない時は再度クリーニングするか、パットを新品に変えましょう。先にも書きましたが、汚れたパットでローターに汚れが付いてしまうので、ローターも同時にクリーニングしてください。

もう一つの対策としては、パット表面や、ローター表面が荒れてしまっている場合は紙やすりなどを使って新しい面を出してあげてから、クリーニングする場合方法もあります。

 

オイル交換のタイミング

オイル交換

オイル交換のタイミングですが、どのくらい酷使したかで変わってきます。
目安として、毎週乗りに行く方や下りで酷使する、長距離を乗る方であれば1年、月に数回しか乗らない方であれば2年に1回は交換した方がいいでしょう。感覚としては機械式のブレーキワイヤーを交換するのとタイミングは一緒でいいと思います。

 

最後に

メカいじりが不得意な方や、上記の内容がわからない方はぜひ店舗にお問い合わせください。状態確認させていただきます。

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