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この記事を見た方はチューブレスのメンテナンスをしましょう。

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上野アサゾー店】石川 康輔 23年12月16日

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今となってはチューブレスレディタイヤが普及して市民権を得ていると思います。ですが、クリンチャーと異なり使いっぱなしは良くないですよ!特に走り始めてからすでに半年経過した方はご注意ください!あなたのタイヤはメンテナンスが必要です!

チューブレスのメンテナンスとは?

実はチューブレスレディタイヤは3カ月~半年程経過時点で必ずメンテナンスをする必要があります。それ以外にも様々なタイミングでメンテナンスをする事で快適性を維持する事が出来ます。それがどういったメンテナンスなのかは以下の通りです。

シーラントの寿命

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まず、チューブレスレディタイヤには必ずシーラント剤が使われています。主にラテックスなどを含む液体で時間が経過したりすることで徐々に乾燥していきます。

シーラントの種類やタイヤとの相性によっても乾く時間は変わりますが、一般的に適量入れた状態で使うと約3カ月で液体としてタイヤの中を流動的に回っている分が乾燥しはじめます。

タイヤ自体は乾燥したシーラントが膜を形成するためエアの漏れもないまま使う事ができるのですが、いざパンクした際に噴き出す分のシーラントが残っていないのでリカバリーができなくなってしまいます。また、乾燥している状態でタイヤの組付けにズレ(エアのない状態でタイヤを揉んだりするなど)があるとシーラントが剥がれエア漏れの原因にも。

その為、その時点でそのタイヤを継続して使いたいと思っている方はシーラントの継ぎ足しを行う必要があります。

シーラントの継ぎ足しは既にタイヤ内にシーラントの膜ができているので最初に入れた量の半分程度が目安となります。目的は液体としてタイヤの中を回ってくれる分を補充したいという事です。

これがシーラントの寿命によるメンテナンスです。

※必ず元々入っているのと同じシーラントを継ぎ足してください。異なるシーラントが混ざるとシーラントが硬化して謎のゴムボールの様な塊がタイヤの中にできてしまいます。

ちなみに、タイヤを外してシーラントを除去して再施工するという手段もありますが、条件が整っている前提でかつ結構難易度が高いのであまりお勧めはしません。

長寿命タイプのシーラントもあります

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個人的に愛用しているのがMUC-OFFのシーラント。これの特徴は相性の良いタイヤへの使用で6ヵ月シーラントの乾燥を防ぎます。

乾きにくいシーラントという事で6ヵ月以上同じタイヤを使う方の味方となっています。

後述しますがタイヤの寿命を考えた時にこの6か月は個人的にすごく絶妙な値だと思います。

 

バルブコアの寿命

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チューブレスバルブはバルブコアという空気を入れる先端部分を交換する事ができる仕組みになっています。

エアを入れる際に必ずやる先端を押して「シュっ」と空気を出す際に少なからずシーラントが霧状にバルブから出てきます。という事はバルブ自体には液体としてシーラントがまとわりついている状態で常に使っているという事になります。

シーラントはタイヤの中でも乾くのは先に言った通りですが、バルブの中でもシーラントが乾いてしまう事で空気が入れにくくなったり、バルブのパッキンをダメにしてエアがバルブから漏れてしまったりと、トラブルの原因の一つとなります。

バルブそのものを交換する必要はないのですが、先端のバルブコアはそういった兆候が見られたらすぐ交換することをお勧めします。

これに関しては期間というよりは「何かあったら都度」交換ですね。

例外としてマクハルシーラントをお使いの方は、施工時に古いバルブコアを使っていただいて、シーラントが固まって落ち着いたところですぐに新しいバルブコアに入れ替えることをお勧めします。施工時にバルブコアにかなり詰まるので個人的にはそうします。

バルブコア自体の交換は非常に簡単なので工具と一緒にストックを買っておきましょう。

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バルブ、リムテープの寿命

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チューブレスバルブとリムテープにも寿命は有ります。

これに関しては相性とか、そのホイールによっても全然変わってくるので一概に例えば「1年で~」みたいな事は言えませんが、タイヤ交換をする際にバルブ自体にシーラントがこびりついて根元のパッキンが変形変色している状態は交換をお勧めします。

リムテープは、見たまんま、タイヤを外した際にずれたり、剝がれたりしたら当然交換が必要です。シーラントがリムテープの裏に入り込んでいる場合も交換が必要です。液体がテープの裏に入るぐらいなので空気も入りますからね。

バルブ、リムテープは基本的にはメーカー純正品をお勧めしますが、ユニバーサルタイプのバルブを出しているブランドも多数あるのでそういったブランドのバルブやテープを使ってみるのもありだと思います。余談ですがMUC-OFFのテープとバルブを個人的に愛用しています。

この辺りから難易度も高くなってくるのでおそらくショップに任せる領域になるかもですね。

 

タイヤの寿命

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これは私自身はすごく短く見積もっているので、一つの意見だと思って聞き流してください。

タイヤの寿命を考えた際に、パンクを一つの寿命と考えるか、走行性能の低下を寿命と考えるかその辺の意識、感覚が寿命と言う言葉の解釈に関わってくるでしょう。

特に時間経過による寿命をある一つの地点と考えてしまうと無理があるので、私は寿命を段階で考えています。

摩耗による寿命

これはすごく単純でインジケーターがなくなるまで使ったら寿命と言うパターン

体重や空気圧、走行する路面状況によりますが私の感覚で

ハイグリップレースタイヤ---1500km~

高耐久モデル3000km~

特にGP5000STRはレースモデルとしては異色の高耐久モデルだと思います。

価格こそ高いですが、下手すると倍の距離走れるので実はコスパが良い説あります。

 

時間的寿命

タイヤは乗っていなくてもゴムが劣化します。

こちらも様々な状況により変わってきますが、

ハイグリップレースタイヤ---3カ月~6ヵ月である程度の劣化が感じられます。

高耐久モデルなら1年程はある程度の走行性能を維持して走ってくれると思います。

タイヤ自体には製品保護のために流通時点ではワックス的な感じのものが表面についているので、1度走り始めるまではある程度は大丈夫なのですが、走って保護剤が抜けてくると走っていなくても徐々に劣化が進んでいきます。

また、1か月以上走行しない長期保管でタイヤがぺったんこな状態が長いと劣化が早いような気がします。ソースは無いですがそんな気がします。

ただし、この期間を過ぎても劣化が進んでいるというだけなので「走れます」。

走れるので、寿命だととらえないという方の方が一般的には多いと思います。

ですが、私自身が気にするポイントとして

・タイヤが硬化してパンクしやすくなっている(石とかがめり込みやすく傷なども入りやすい)。

・タイヤのグリップが落ちたり、しなやかさが無くなる事で走行性能が落ちてしまっている。

などが考えられます。

一番の懸念点はパンクしやすくなってしまうという所ですね。

正直生活圏内の近場であればパンクしてもいくらでもリカバリーをする手段はあるので、気になりませんが、ロングライドで自宅から100km走った地点でパンクをしてしまったらすごくショックですよね。

勿論、パンク自体はタイヤが新品であっても避けられない場合もるので、一言「運が悪かった」と諦める他ないですが、タイヤの劣化によりなんてことない小石を踏んでパンクしてしまうなんてことは避けたいところです。

私自身走行距離は多くないので同じタイヤを半年以上使う事はざらにありますが、タイヤの掃除をしていて、例えば小石がめり込んでいるのを見つけたり、サイドにこすれ傷があったり、タイヤに物理的なダメージが目立ち始めたら交換をするようにしています。

そのままでも、今日まで大丈夫だったのでたぶん明日も大丈夫だと思いますが、実はそれは運が良かったからパンクしないだけなので、明日の自分の運が悪ければ問答無用でパンクするので交換した方がよかったと後悔する前に交換をします。

という事で、寿命の境界線を引くとしたら、タイヤの性能でパンクを予防できる状態から、タイヤの劣化によりいつかはパンクが起きる状態に劣化したときのどこかが寿命と考えます。

どこまで使うかはその時期にレースやロングライドの予定があるかどうかでも使い続けるかどうか選択の分かれ目となるでしょう。

境界線から先はただただ、たまたまパンクしないで走れているという時間が過ぎていくだけなので、タイヤの性能でパンクを防いでいるとは言えないでしょう。

タイヤは新鮮な方がいいですよ。

 

ちょっと長くなりました、、、、

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と言うわけで

タイヤにも寿命があって、摩耗していなくても時間が経過したら変えた方が良いですよって話です。

タイヤの種類だけでなく、あなたの走る環境や遠くに走りに行くのかどうかという事でも交換をすべきタイミングが変わってきます。

 

まとめ

チューブレスレディのメンテナンスとしては以上の通りです。いくつもの要素の上に成り立つ複雑な構造をしている為、キッチリある1点のタイミングでメンテナンスをすれば大丈夫というものでもないので、その都度調子を見てあげる必要があります。

シーラントが3カ月ないしは半年で補充をするとして、そのタイミングでタイヤのコンディションを確認しましょう。

特にひび割れやダメージがなく、かつパンクしたくない大事なライドが直近で無ければそのまま、同じ銘柄のシーラントを半分ぐらい継ぎ足しましょう。

毎日の空気入れの際に空気が入りにくかったり、エアの抜ける感じがあればバルブコアの交換を。

劣化やダメージによりタイヤ交換を選択する場合はタイヤを外した際にリムテープのズレや剥がれ、テープの内側にシーラントが入り込んでいないか、バルブは根元のゴムシールが機能しているかどうかをしっかり確認しましょう。

怪しいと思ったら交換が基本です。折角チューブレスのセットアップをしても、その後にバルブやテープの劣化が起きて空気が抜けたらやり直しですから。

リスクマネジメントっていうとなんか言い過ぎですが、次のライドでパンクする事による損失がタイヤ代金を超えるようであれば変えておきましょう。

大事なレース、300kmライドにチャレンジしているのに古いタイヤが原因のパンクでDNFとか嫌ですよね。勿論走行性能も落ちているので滑りやすかったりなど走りにも影響があるでしょう。

リスクをあらかじめ想定して、備えておくことでチューブレスレディでの快適なサイクリングライフを送る事ができますよ!

面倒だなと思ってしまうかもしれませんが、結果的にパンクしないで走れればそれが一番面倒が少ないので是非定期的なメンテナンスを!

 

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