【インプレ】ロードバイク頂上決戦!各社ハイエンドモデル乗り比べてみました!前編

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上野本館】 23年11月18日

11/2毎年恒例の社内試乗会に参加してきました!今回は各社ハイエンドロードを中心に試乗できたので、乗り比べて感じたことなどをご紹介させていただきます!


LOOK / 795 BRADE 2 RS

一発目はこちら。LOOKの新型ロードバイク「795 BRADE 2 RS」。

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乗った時にまず感じたのは加速感の良さ。足回りはDURAホイールC50+CORSA PROという決して軽い組み合わせではないにも関わらず、踏んだ分だけどんどんスピードが乗っていってくれる加速感は、単なる重いエアロロードでは決して得られない感覚でした。もちろん巡行性能も高く、総合力は今回試乗したバイクの中でもトップクラスではないかと思いました。一発目からいきなりお気に入りのバイクに出会いましたね。

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以前のLOOK BRADEと言えば威圧感のあるエアロロードでしたが、モデルチェンジしてエアロオールラウンダーとして生まれ変わった印象。名前こそ変わっていませんがもはや別物と考えた方が良いでしょう。フレーム905g,フォーク425gと前モデルに比べて軽量化されています。

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近年の潮流に対応するため、タイヤ幅は最大32Cまで対応可能に。タイヤ選択次第では軽度なグラベルの走行も可能に。

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シートチューブ付近を後ろから見るとこんな感じ。他社のバイクでもたまに見かける、シートステーが横に広がるエアロ構造。

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このバイクの最大の特徴はこのコクピット周り。バートップが非常に薄くシンプルになっており、空力的に大幅に改善されていることが伺えます。

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ステムも前方に向かって低スタックになることで空気抵抗を削減。ちなみにXSサイズに試乗しましたが、サドル高660mmでハンドル落差が8cmぐらいあったので、とにかく低いポジションを取りたい小柄なライダーにとって有力な選択肢となりそうです。

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一体型ハンドルと思いきや、ハンドル・ステム別体方式を採用しているのも大きな特徴。一体型ハンドルと同等の空力性能を得ながら、ポジションの自由度もしっかり確保しているメーカーは意外と貴重。今回のモデルチェンジでLOOKもロードバイク開発競争の第一線に戻ってきたことを強く感じました。


TREK / MADONE SLR 9

続いてはエアロロードの代名詞TREK「MADONE SLR」。

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このバイクはとにかく高速域での速度維持が楽!ULTRGRA+ミドルグレードホイールの組み合わせもあってか車体重量は決して軽くなく、俊敏性には欠ける印象でしたが、スピードに乗ってからの巡行性能は最高レベル。ゴツい見た目のわりに足当たりが優しい程よい剛性感で、快適性も高めと感じたので、他メーカーのバイクに比べて長時間のライドで体力を残しやすい一台ではないでしょうか。

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第7世代で大きな変更点となったのは、軽量化のために快適性を調整するための機構「ISO SPEED」を廃止したこと。代わりにシートステーの接合部に大きな穴を作ることで圧力抵抗を軽減する「ISO FLOW」が採用。特徴的な外見は発表当時大きな話題となりました。

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近年、各社エアロオールラウンダーへ回帰する流れがありますが、MADONEは純粋なエアロロードとして正当進化。威圧感のあるボリューミーなダウンチューブ形状はやっぱり格好良いです。

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薄いエアロシートポスト。高さ調整は後ろの小さなボルトで行なうのですが、ちょっと癖があって慎重にやる必要がありました。見た目はすっきりしていて良いんですけどね。

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ホイールはBONTRAGER「AEOLUS PRO 51」最高グレードのRSLと比較すると、前後で約180g程重くなるため、このあたりを交換すると一気に加速のフィーリングが良くなりそうです。

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新型MADONEのために新たに設計された一体型ハンドルバー。ドロップ部分の幅が3cmほど広がっていて、ブラケットポジションでのエアロ性能とドロップポジションのコントロール性を両立しています。最新のエアロ性能に加えて300g程度という軽量性も併せ持つ隙の無いコクピット。ユーザー目線としては、Blenderシステムによるアクセサリー取付の自由度の高さが嬉しいですね。

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ステム後方はエアロカバーが取り付けられる構造。

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BIANCHI / OLTRE RC

長らくBIANCHIの人気エアロロードとして不動の地位を得ていた「オルトレ」が今年遂にフルモデルチェンジ。賛否両論を呼んだ大胆なエアロフレームワーク、オリジナルホイールやコクピットの開発など、かなり気合を入れて作られているなという印象。

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加速・巡行・ハンドリングなど、どれをとってもハイレベルな一台。前作OLTREと比較して確実にワンランクパワーアップしていますね。今回OLTREの代名詞でもあった振動吸収素材「カウンターヴェイル」が廃止された事もあってか、乗り心地は良いとは言えませんが、快適性に関しても概ね問題ない印象。先ほどのMADONEもそうでしたが、ディスクブレーキ化に合わせてタイヤ幅が拡大しているため、フレームに快適性を高める特殊な要素は要らないと考えているのでしょう。

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フレームを見回した時、まず目につくのはヘッドチューブのエアディフレクター(風向偏向板)。板の内側を空気が素早く通り抜けることで、ライダーの脚付近に低圧の領域を作り出すというもの。残念ながらUCIルールに引っかかるので公認レースでは使用禁止ですが、「フレームに穴を作って空気を通す」発想は、先程のMADONE「ISOFLOW」にも通ずるものがあり、確実に空力改善効果が望めるということでしょう。

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トップチューブはカーボン柄が透けて見えるほど薄く、美しく作られています。デザインにこだわりの強いイタリアンバイクなのでこうした細部の仕上げも重要。

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かなり特徴的な形状をしている一体型ハンドル。中央部に穴が開く構造自体はCERVELO S5のハンドルと似ていますが、こちらは穴自体が小さめで、上部にヴォルテックスジェネレーター(渦流生成器)となる出っ張りがついているのが特徴。ステムが急角度で上に向いており、僕のサドル高では比較的リラックスしたポジションでした。ハンドル部分は複雑で有機的な曲線を描いていて好みは別れやすいですが、いかにもCFD解析を駆使した末に出来上がったという感じで、個人的には面白いと思いました。

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ビアンキのオリジナルレーシングブランド「REPARTO CORSE」カーボンホイールSPBTech(フロント50mm/リア65mm)を装備。SPBとは「SUPER PRECISION BEARING」の意味で、特別なセラミックベアリングを使用した回転性能の高さが特徴とのこと。まだユーザーが少なく実力は未知数ですが、今回乗った感じは巡航性能の高さのわりに加速も悪くなく、かなりオールラウンドに使えるホイールだと感じました。

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近年大手サドルメーカーが続々と発表している3Dプリント系のサドル。見た目以上に触った感じは固く、乗り心地も非常にスパルタンな印象を受けました。ロングライドなら別の選択肢もあるでしょうが、レース等で極限まで自分を追い込みたい人にとってはこれぐらいが良い塩梅なのかもしれません。

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COLNAGO V4Rs

続いてはあのタデイ・ポガチャルが駆るCOLNAGOのハイエンドロード「V4Rs」。

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前回V3-RSを乗った時はちょっともっさりとした加速感が気になったのですが、こちらはかなりの好印象!フレームの軽量化に加えて、剛性アップの影響が大きく出ていて、集団走行で加減速を繰り返すような場面では走りやすそうだなと感じました。試乗コースに登りが無かったのではっきりとは分かりませんが、今回試乗した中では軽量で車体の振りも軽く、ヒルクライム向きのバイクであることは間違いないと思います。

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前作V3-RSと比較しても一見大幅な変更は無いように見えますが、無駄のそぎ落とされたデザインで軽量化を図った結果、よりシンプルなオールラウンダーとして正当進化。ヘッドチューブ周辺の形状などを見ると、確実にエアロ性能が向上していることが分かります。

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女子ワールドチーム「TEAM ADQ」レプリカカラーは、多彩なグラデーションが美しい独特のカラーリング。

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オリジナル一体型ハンドル「CC01」。ハンドルトップ部分にバックスイープなどは無く、一体型ハンドルの中でもシンプルなデザインとなっていますが、軽くて取り回しが良く、山岳コースを高速で走行するという車体の特性に合わせて開発されたものと考えられます。ちなみにフレームカラーとあまりにマッチングしているこのバーテープは入荷未定だそうです。

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ちなみにトップキャップを外すと携帯工具が収納されています。

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余談ですがこちらULTEGRAグレードのホイール「WH-R8170-C36」。カーボンリムで剛性は十分に高く、リム幅も広めに作ってあって28Cタイヤとの相性も問題なしと、17~18万円クラスとしてはかなり買いではないかと思いました。

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後編へ続く

 

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